今年3月に「Mailbox」を買収し、ますます勢いに乗る「Dropbox」
時価総額40億ドル、ユーザー数1億7500万人と、とんでもない化け物ベンチャーの彼らですが、
実は広告にほとんどお金を使っていないということをご存知でしたか?
つまり、そこはグロースハックのアイデア宝庫のはず。
今回はそんな宝の山から7つのお宝を紹介します。
参考記事:The 7 Ways Dropbox Hacked Growth to Become a $4 Billion Company
グロースハックって何って方はこちらの記事をどうぞ。
「グロースハック」とは
1、登録に振り切ったサイト
初期の頃からDropboxのサイトはシンプルなものでした。
特徴を伝える2分間の動画とダウンロードボタンだけ。
幾度となく、レイアウトの変更はされていますが、基本的には動画の再生ボタンとダウンロードボタンのみです。
訪問したユーザーにしてもらえるアクションは限られています。
ならば、最も重要な目的にフォーカスするべきです。
私たちは、ユーザーが本当に自分たちのプロダクトの価値を理解してくれるか不安になり、
多くの説明を書いてしまいがちです。
それが良い方向に働く場合もありますが、往々にして、それらはサイトを見づらく、分かりづらくしてしまいます。
真に優れたプロダクトは、くどくどと説明しなくても訪れた人に価値が伝わるものです。
ちなみに最近では、動画ではなく、JavaScriptによるアニメーション(各デバイス画像の中身)と、スクロールによる機能紹介をテストしているようです。
2、登録フローをできるだけ簡単にする
下図で分かる通り、Dropboxに登録する際に必要は情報はごくわずかです。
登録時に聞くのは、必要最小限の情報に抑えましょう。
他の情報は、ユーザーがあなたのプロダクトの価値を実感したあとで、いくらでも聞き出すことができます。
3、ユーザーの遷移の負担を最小限に抑える
Dropboxへの登録が終わると、自動でアプリケーションのダウンロードが始まります。
これにより、ユーザーはわざわざ自分でダウンロードリンクを探して、クリックして、、、という作業を行わずに済みます。
これは一例に過ぎませんが、ユーザーが次にする行動が明らか、もしくは誘導したい場合には、自動でその作業をしてあげましょう。
4、メールアドレスの確認をしなくても始められるようにする
登録直後にメールアドレスの確認をしないと、機能を使えないようにしているサービスは多いと思います。
しかし、これはユーザーにとっては相当なストレスです。
せっかく登録したのに、メールアプリやサイトを開いてメールを確認して認証して、、、
これではせっかく登録してくれたユーザーが離脱するのも無理はありません。
登録後は、メールアドレスの確認をしなくても、ユーザーに機能を体験させてあげましょう。
メールアドレスをどうしても確認したいなら、ユーザーがある程度プロダクトを体験した後に通知を出すか、
特定の機能のみアドレスの確認が必要、というカタチにすれば良いのです。
あなたのプロダクトを体験して、気に入ってくれたユーザーは喜んでアドレスの確認をするでしょう。
5、友人招待を活発にさせる
CEOのHoustonによれば、友人招待がDropboxの登録数を60%も押し上げたそうです。
彼らは、友人招待の方法をとても簡単にし、インセンティブも付与しました。
すでに登録したユーザーは招待することで無料の容量が得られるため、活発に招待を行いました。
招待をもらった人々は、信頼できる友人から送られてきた招待に、非常に高い割合で応えます。
Google Adwordsなどのリスティング広告にとりあえず5000円つかってしまう前に、友人紹介の仕組みが作れないか考えてみましょう。
正しくインセンティブを付与すれば、ユーザーもノってくるはずです。
6、SNSと連携させる
DropboxはSNSの活用法も抜群に上手でした。
彼らは、各SNSとの連携にもインセンティブを付与し、SNSを通じてのユーザー獲得にも成功しました。
例えば、今日現在のDropboxのフォロワー数は約290万人です。
このように、Dropboxはユーザーを増加させる別の巨大なプラットフォームを手に入れることに成功したのです。
7、ゲーミフィケーションを活用する
テック界隈の皆さんの中には、「Dropquest」に挑戦した経験のある人も多いのではないでしょうか?
「Dropquest」とは、さまざまなパズルやゲームに挑戦してクリアすると無料の容量がもらえたり、上位に入賞すると特製グッズがもらえるDropboxによるWEB上のコンテストです。
このコンテストを告知したブログは大いにバズり、更には様々なメディアが取り上げたため、一気にDropboxの知名度を押し上げる結果となりました。
コンテストは、バズを起こす非常にいい方法です。
是非、試して頂きたいですが、注意点が一つ。
景品は、そのプロダクトの価値を高めるようなものでなければ、単なるマーケティングキャンペーンで終わってしまいます。
「Dropquest」も景品が単純にAmazonのギフトカードであったら、景品を勝ち取ったユーザーはそこで喜んで終わりだったでしょう。
しかし、景品を無料の追加容量にすることで、更にDropboxを使おうという気になるのです。
せっかく景品をあげるのなら、その人をあなたのプロダクトのファンにしてしまいましょう。
まとめ
どれもシンプルな施策ですが、本質をついているので爆発的なユーザー増加を生んだものばかりです。
VASILYでは、特に友人招待(Referral)の部分に関して、まだまだHackすべきことが多くあるので、面白い施策を考えて行こうと思います。